机上、枝条、そのほか

机上、枝条、そのほか

2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

アフォリズムのリハビリテーション #1108

■奇蹟は、神の存在の直接の現前ではなく、その痕跡の現前である。奇蹟とは、現前不可能で、世界に内在できない神を、それでも、間接的な仕方で、具体化し、世界の内部に召還する方法なのである。 大澤真幸『恋愛の不可能性について』

アフォリズムのリハビリテーション #1106

■貨幣によって支払うということは、直接には、もちろんまさに購入しようとしている商品の売り手と関係することである。しかし、そのことを通じて、買い手は、必然的に、そのときには具体的には想定されていないもう一段向こう側の他者、つまり売り手の貨幣を…

アフォリズムのリハビリテーション #1104

■何よりもあれを止めてくれ。圧迫されたとか。拷問されたとか。虐殺されたとか。それはほんとうだ。僕でさえ見聞きした。しかし君自身は生きているのだことを忘れないでくれ。生きている人よ、虐殺された人をかつぐな。生きていること、生きのびられたことを…

アフォリズムのリハビリテーション #1103

■なるほど天皇の仕草はおかしい。笑止千万だ。だから笑うのはいい。しかしおかしそうに笑え。快活の影もささぬ、げらげらッというダルな笑い。微塵よろこびのない、いっそう微塵自嘲のない笑い。僕はほんとうに情なかった。日本人の駄目さが絶望的に自分で感…

アフォリズムのリハビリテーション #1101

■……君を粉砕し、前歯と背骨を叩き折り、大地が君の躰に触れて汚染されることのないように百万度の高熱で灼きつくし、その灰さえも海溝の底深く沈めてしまうことが、自分に課した義務だ。 笠井潔『バイバイ、エンジェル』

アフォリズムのリハビリテーション #1099

■殉教者こそが高利貸よりも計算高く自分の所有物にしがみつく。高利貸が積み上げた金貨を卑しげな笑いを浮かべて撫でまわすように、殉教者は自分の正義、自分の神を舌で舐めまわすのだ。 笠井潔『バイバイ、エンジェル』

アフォリズムのリハビリテーション #1097

■せいぜいパンのために殺すのが君たちにできることの限度だ。殺人を正当化する観念は、ひとりで背負うにはあまりにも重い。 笠井潔『バイバイ、エンジェル』

アフォリズムのリハビリテーション #1095

■悲しみは形態であり、幸福は内容であった。幸福が悲しみの空間をも満たした。 ミラン・クンデラ『存在の耐えられない軽さ』

アフォリズムのリハビリテーション #1093

■私はプラハで政治犯の恩赦のため署名活動を組織する編集者のことを考える。その活動が囚人たちの助けにならないことを彼はよくわきまえていた。真の目的は囚人を解放することではなしに、まだここに恐れてはいない人たちがいることを示すことにあった。やっ…

アフォリズムのリハビリテーション #1091

■全体主義的な俗悪なもの(キッチュ)の帝国では答えはあらかじめ与えられており、いかなる質問も取り除かれている。そのことから、絶対的に俗悪なもの(キッチュ)の本当の敵は、質問をする人間である。 ミラン・クンデラ『存在の耐えられない軽さ』

アフォリズムのリハビリテーション #1089

■本当に、そのもっともひどかった時代にすべての共産主義国の映画館に氾濫していたソビエト映画は、信じがたい無辜の善良さで満ち溢れていた。二人のロシア人の間でおこりうる最大の衝突は愛の誤解であって、彼は彼女がもう自分を愛していないと思い、彼女も…

アフォリズムのリハビリテーション #1087

■糞は悪よりもはるかに困難な神学上の問題である。 ミラン・クンデラ『存在の耐えられない軽さ』

アフォリズムのリハビリテーション #1085

■メタファーというものは危険である。愛はメタファーから始まる。 ミラン・クンデラ『存在の耐えられない軽さ』

アフォリズムのリハビリテーション #1083

■少女のときから本はひそかな同胞のよしみのしるしである。家にこんな書棚を持つ人間は、彼女を傷つけることはできない。 ミラン・クンデラ『存在の耐えられない軽さ』

アフォリズムのリハビリテーション #1081

■本当に重要な問いというものは、子供でも定式化できる問いだけである。 ミラン・クンデラ『存在の耐えられない軽さ』

アフォリズムのリハビリテーション #1079

■女であるということはサビナにとって自らが選んだ運命ではなかった。われわれが選んだものでないものは自分たちの功績でもなければ、自分たちの失敗でもない。サビナは割り当てられた運命には適切な応対をする必要があると考えている。女と生まれたことに反…

アフォリズムのリハビリテーション #1077

■もし母性愛というものが犠牲という形で体現されるなら、娘に定められた役割は罪で、けっしてあがなうことができないものなのである。 ミラン・クンデラ『存在の耐えられない軽さ』

アフォリズムのリハビリテーション #1075

■元 麦はのう 寒い冬に 芽を出し 何回も 何回も踏まれ 根を大地に しっかり張って まっすぐに伸び やがて豊かな 穂を実らせるん じゃ… おまえも 麦のようになれ 踏まれても 踏まれても たくましい 芽を出す 麦になれ 中沢啓治『はだしのゲン』

アフォリズムのリハビリテーション #1073

■あなたが わたしと同じ気持ちなら きっとハッピーエンドよ CLAMP『カードキャプターさくら』

アフォリズムのリハビリテーション #1071

■今のさくらちゃんは はにゃーん状態ですけれど 今までの はにゃーんとは ちょっと違いますもの 胸が どきどきする はにゃーんではなくて もっと優しい はにゃーんですわ CLAMP『カードキャプターさくら』