2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧
・みんないい人だよ。ただ、ちょっと、はにかんでいるんだよ。 別役実「象」(『壊れた風景/象』より)
・ほかの連中はみんないいまさ――《さあ、ペストだ。ペストにかかったぞ》なんてね。もう少しで、勲章でもほしがりかねない始末でさ。だが、いったい何かね、ペストなんて? つまりそれが人生ってもんで、それだけのことでさ カミュ『ペスト』
・差し当って、僕は、自分がこの世界そのものに対して何の価値もない人間になってしまったこと、僕が人を殺すことを断念した瞬間から、決定的な追放に処せられた身となったこと、を知っている。歴史を作るのはほかの連中なのだ。 カミュ『ペスト』
・僕は、自分が何千という人間の死に間接に同意していたということ、不可避的にそういう死を引き起こすものであった行為や原理を善と認めることによって、その死を挑発さえもしていたということを知った。 カミュ『ペスト』
・「われわれに残された唯一のものは、つまり簿記の仕事ですよ」 カミュ『ペスト』
・世間に存在する悪は、ほとんど常に無知に由来するものであり、善き意思も、豊かな知識がなければ、悪意と同じくらい多くの被害を与えることがありうる。人間は邪悪であるよりもむしろ善良であり、そして真実のところ、そのことは問題ではない。 カミュ『ペ…
・抽象がこっちを殺しにかかって来たら、抽象だって相手にしなければならぬのだ。 カミュ『ペスト』
・戦争が勃発すると、人々はいう――「こいつは長くは続かないだろう、あまりにもばかげたことだから」。そしていかにも、戦争というものは確かにあまりにもばかげたことであるが、しかしそのことは、そいつが長続きする妨げにはならない。 カミュ『ペスト』
・運命によって「諦め」を得た「媚態」が「意気地」の自由に生きるのが「いき」である。人間の運命に対して曇らざる眼をもち、魂の自由に向って悩ましい憧憬を懐く民族ならずしては媚態をして「いき」の様態を取らしむることはできない。「いき」の核心的意…
・すなわち「いきな事」の必然的制約は何らかの意味での媚態である。しからば媚態とは何であるか。媚態とは、一元的の自己が自己に対して異性を措定(そてい)し、自己と異性との間に可能的関係を構成する二元的態度である。そうして「いき」のうちに見られ…
・ぼくの夏への扉はもう見つかった。 ロバート・A・ハインライン『夏への扉』
・「それはそうだけどね……しかし、きみの可愛がりかたは、犬の可愛がりかたで、猫のじゃなかったんだよ。猫の場合はたたいたりしちゃ絶対だめだ。撫でてやらなきゃいけないんだよ。それに猫の爪の届く範囲で、急激な動作をしてもいけない――つまり、こっちが…
・何が可畏い(こわい)と言ったって、新しい時代ほど可畏いものはない。 島崎藤村『破戒』
・ああ、自然は慰めてくれ、励ましてはくれる。しかし右へ行けとも、左へ行けとも、そこまでは人に教えなかった。 島崎藤村『破戒』
・「隠せ」――実にそれは生死の問題だ。 島崎藤村『破戒』
・ネットは 広大だわ ・・・・・・ 士郎正宗『攻殻機動隊』
・上へ行く程 レベルは巨視化し 決定論的に ふるまう… 逆に下は 微細構造に行く程 非決定論的になる… (個人というレベルは まだ非決定論的〉 言い換えれば 下の階層のゆらぎが 上の階層の動脈硬化を 防いでいるわけだ・・・・ システムの硬化・・・・ 熱的死…
・「気持ち」は 判るが 邪魔だから しまっとけ 士郎正宗『攻殻機動隊』
・何が 望みだ? 俗悪メディアに 洗脳されながら 種(ギム)をまかずに 実(フクシ)を食べる事か? 興進国を犠牲にして 士郎正宗『攻殻機動隊』
・ここで、わたしの人間的欲求を表現すれば、――わたしは、ずっと、マヨネーズという言葉でおわる本を書きたいと思っていた。 リチャード・ブローティガン『アメリカの鱒釣り』
・「スタンレーじゃ雨だな」とわたしはいったが、実はスタンレーに行ったことなど一度もなかった。一度も行ったことがない場合、スタンレーについてあれこれいうのはやさしい。 リチャード・ブローティガン『アメリカの鱒釣り』
・〈アメリカの鱒釣りちんちくりん〉は、鳩の群の中へ突っこむようにして、ワイン片手にイタリア人の群のどまんなかにいきなり車椅子で割りこんでいんちきなイタリア語で猥雑に喚き立てるのだった。 「トラ・ラ・ラ・ラ・ラ・ラ・スパ・ゲッ・ティィィ!」 リチャー…
・受験とヤギを 両立させるのは やはり無理なんだろうか。 吉田戦車『伝染るんです。』
・槍があれば 中学生男子を 思うさま 突けるだろ。 吉田戦車『伝染るんです。』
・……さて、久しぶりに とりかえしのつかない ことでもするかな。 吉田戦車『伝染るんです。』
・旅行などは、肉のやることだ。 ウィリアム・ギブスン『ニューロマンサー』
・…でも 小杉君は 明日がんばったところで ただのデブちんから 体力のあるデブちんに 変わるだけだよ こんな苦労して 体力のあるデブちんに 昇格しても それほど価値が あることかい? さくらももこ『ちびまる子ちゃん』