机上、枝条、そのほか

机上、枝条、そのほか

2009-04-01から1ヶ月間の記事一覧

アフォリズムのリハビリテーション #1122

■花が 降って 来る 花は スカートのようで リボンのようで 香りが強くて 息がたえる あの中に 埋もれているのは私 花を 降らせているのも 私 吉野朔実『少年は荒野をめざす』

アフォリズムのリハビリテーション #1121

■俺 コンプレックスの 強いばかって 嫌いよ!! ばかが 暗くて どーする 吉野朔実『少年は荒野をめざす』

アフォリズムのリハビリテーション #1120

■だ… だめだ ここにいると なんか どーでもいいような 気になってしまう 一挙に80のばばあに なってしまう 吉野朔実『少年は荒野をめざす』

アフォリズムのリハビリテーション #1119

■桜迷路の宵闇に 白い未練の 月が出る 想いをこらして 立ちつくす 春 吉野朔実『少年は荒野をめざす』

アフォリズムのリハビリテーション #1118

■誰とも同等の 距離をおこうとする 君が ぼくだけを 嫌うなら それは 好意的に 解釈できる 吉野朔実『少年は荒野をめざす』

アフォリズムのリハビリテーション #1117

■私 ずっと 忘れない 私の心の底には 刃が光っている事 そうして 私は刃(これ)を ペンに持ちかえて 走ってゆこう あの野原から 今度は 兄のためでなく 自分のために そして 刃を自分に 向けるために はるか 荒野をめざして 吉野朔実『少年は荒野をめざす』

アフォリズムのリハビリテーション #1116

■小説にENDマークを つけた時 あれに似てる 風が通る 体の中を風が通る これが 私 吉野朔実『少年は荒野をめざす』

アフォリズムのリハビリテーション #1115

■もー 頭のいい奴は すぐ ものを 考えたがるから よくない 吉野朔実『少年は荒野をめざす』

アフォリズムのリハビリテーション #1114

■理想の自分が すでに他人として 存在するならば この自分は 自分にとって 存在しなくても いいものになってしまう 吉野朔実『少年は荒野をめざす』

アフォリズムのリハビリテーション #1113

■この淋しい目をした 少年は 歩く時 ちょっと左肩を 落とすくせがある それが 誰かを 呼んでいるようで 皆 つい 声をかけて しまうのだ 吉野朔実『少年は荒野をめざす』

アフォリズムのリハビリテーション #1112

■夢が 現実(うつつ)にまぎれて 立っている 等身大の病 その名を 少年という 吉野朔実『少年は荒野をめざす』

アフォリズムのリハビリテーション #1111

■女の子の笑いは 意味が深くて 底が浅い 男の子の笑いは 意味が無くて 底が深い 吉野朔実『少年は荒野をめざす』

アフォリズムのリハビリテーション #1110

■性行が――ある種の社会的・制度的な文脈では――ときに愛の証と見なされるのは、――少なくともそうした社会的・制度的文脈では――それが、本来は他者が近づきえない自己の内部の核に、ある特定の他者のみが接近することが許容されていることを示すことになるから…