机上、枝条、そのほか

机上、枝条、そのほか

2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

アフォリズムのリハビリテーション #289

・以前は若者は勉強しなければならなかった。無学とそしられたくなかったばっかりに、いやでも勉強したものだ。ところが現代は、世の中のすべてが愚劣だ! といいさえすれば――それでとおるんだ。若者たちは大喜びだろうさ。じっさい、以前は若者たちはただの…

アフォリズムのリハビリテーション #286

・「じつにきれいな女だ!」 「え、それだれのこと?」 「きまっているじゃないか。きれいなのは一人だけだよ」 ツルゲーネフ『父と子』

アフォリズムのリハビリテーション #283

・「ははあ! 自分の牛乳で舌を焼いたんで、他人の湯まで吹いてやるってわけか。なるほどねえ」 ツルゲーネフ『父と子』

アフォリズムのリハビリテーション #280

・望みはなんだ よし おれを陵辱するがよい! 吉増剛造「黄金詩篇」(『吉増剛造詩集』より)

アフォリズムのリハビリテーション #278

・カナダライを叩け! 夢と現実の分離機は崩壊した 隠喩の王権を放棄し 犬のように 世界の傾斜を転落せよ! 吉増剛造「黄金詩篇」(『吉増剛造詩集』より)

アフォリズムのリハビリテーション #276

・女の肉体は日本国憲法だ!ひらかない! 吉増剛造「黄金詩篇」(『吉増剛造詩集』より)

アフォリズムのリハビリテーション #274

・彫刻刀が、朝狂って、立ちあがる それがぼくの正義だ! 吉増剛造「黄金詩篇」(『吉増剛造詩集』より)

アフォリズムのリハビリテーション #271

・うずくまる後架やここに月の客 男の果ては皆インポなり 野坂昭如『エロ事師たち』

アフォリズムのリハビリテーション #267

・「どや、みな生きてはるな、万年筆みたいなんひとつずつ後生大事にかかえて、ギッコンギッコンやっとるねんな、ほれ、しっかりせなあかんで、エンジンかけたり、馬力出したり、夜道はまだまだ遠おます、チンチンだけがこの世のたより、終世はなれん同行二…

アフォリズムのリハビリテーション #264

・女を教育し男の求めるイメージのままにふるまわせ夢を与えるといっても、これはもう古いのとちゃうか。一対一のセックスでは、すぐにあきたらんようなるのとちゃうか。いくら男の考える理想的な女をつくり上げても、いや、男が理想的なんちゅうイメージを…

アフォリズムのリハビリテーション #263

・共産党の偉い人死なはったら赤旗で遺骸を包むねんやろ、エロ本書きはエロ本で包んだろと、殆ど死んだ時のままの姿勢で茶箱へ入れ、そのすき間には、「布団の告白」「艶情旅衣」「湖畔の宿」「夢枕褥合戦」などカキヤの代表作をびっしり詰める。 野坂昭如『…

アフォリズムのリハビリテーション #261

・「ええストーリー思いつくと、自分で興奮してゴシゴシやってまういうとったけど、それでいってもたんかいんな」スブやん、腹上死はきいたことあるけど、オナニーで心臓麻痺とは、けったいな話やでというと、ポールが、「そらあることですわ、オナニーかて…

アフォリズムのリハビリテーション #259

・最大周囲十一糎八粍、色は茶褐色で露出部は黒みがかったピンク、黒子が五つ。ゴキは衣被(きぬかつ)ぎ、袋法師のみやたらとでかく、身長(みのたけ)六寸にして尖頭、カキヤは夙夜切磨(しゅくやせつま)して倦むことなきその験(あらわ)れか狼口鯨頭、よく権勢…

アフォリズムのリハビリテーション #258

・「ええ眺めやで」 「ほんまや、ここは女ばっかしの学校やから邪魔者が眼エ入らんさかいよろし」 「何人くらい生徒おんねんやろ」 「二千人くらいちゃうか」 「二千人いうて、その全部処女やろか」 「さいな、九割は固いやろな。ここの学校えらい厳しいいう…

アフォリズムのリハビリテーション #257

・われわれは……われわれはありふれた存在だ。われわれは宇宙の雑草だ。そして、自分らの平凡さが非常に広く通用することを誇りにし、その平凡さのうつわのなかに宇宙のすべてのものを収容できると思っている。しかも、そういう図式を信条にして、われわれは…

アフォリズムのリハビリテーション #256

・人間が存在しないところに、人間に理解できる動機などありようはずがない。 スタニスワフ・レム『ソラリスの陽のもとに』