■きみたちはみんなこうなんだ！ リベラルなおしゃべりのためなら半年だって論争するくせに、とどのつまりは、みなに同調ということになるんだから！ ドストエフスキー『悪霊』

■どちらが諸君のお気に召しますか――亀の子のように泥沼を這いずりまわるほうですか、それとも全速力でその泥沼を突っ切るほうですか？ ドストエフスキー『悪霊』

■ぼくが自分の思想を最後まで言いきることができないのは、ぼくに思想がないからじゃなくて、むしろ思想過剰のせいなんだから…… ドストエフスキー『悪霊』

■あなたが帰ったあとで、ぼくがあなたの足跡に接吻しないとでも思いますか？ ドストエフスキー『悪霊』

■「すばらしい。赤ん坊の頭をぐしゃぐしゃに叩きつぶす者がいても、やっぱりすばらしい。叩きつぶさない者も、やっぱりすばらしい。すべてがすばらしい。すべてがです。すべてがすばらしいことを知る者には、すばらしい。もしみなが、すばらしいことを知るよ…

■自由というのは、生きていても生きていなくても同じになるとき、はじめてえられるのです。 ドストエフスキー『悪霊』

■《生ける良心》たる使命をもった人間にいまできることといったら、ごろりと横になっていることぐらいじゃないですか、あの人にはそれがわかっているのかな？ ドストエフスキー『悪霊』

■天とはまさに、微々たる然も広大な 「人類」が湯煎されてる、大鍋の蓋さ。 ボードレール『悪の華』

■姿、美しくあっておくれよ！ 心、さびしくあっておくれよ！ ボードレール『悪の華』

■僕というこの人間は、自分の心の吸血鬼、 ――永遠の笑いの刑を受けながら、 微笑むことは許されぬ 偉大な亡者の一人(いちにん)だ！ ボードレール『悪の華』

■列車よ、僕を運び去れ！ 船よ、僕を奪い去れ！ 遠い、遠い所へ！ ここでは泥までが僕らの涙で出来ている！ ボードレール『悪の華』

■わが心は、俗衆の荒しつくせる宮居なり。 ボードレール『悪の華』

■僕らのために燃え立った、灯の一切を 「病気」と「死」とが、灰にする。 ボードレール『悪の華』

■自由な人間よ、常に君は海を愛するはずだよ！ 海は君の鏡だもの、逆巻き返す怒濤のうちに 君が眺めるもの、あれは君の魂だもの、 君が心とて、海に劣らず塩辛い淵だもの。 ボードレール『悪の華』

■――ああ、悲し！ 「時」が命を齧るのだ、 姿の見えないこの「敵」は、人の心を蝕んで、 僕らが失う血を啜りいい気になって肥え太る！ ボードレール『悪の華』

■翔べ、塵俗の穢土遠く、 飛び行きて、上層の気に身を洗え、 さては飲め、至醇なる天の酒とも、 澄明界に充満てる明き炎を。 ボードレール『悪の華』

■「先に申しあげた治ったかどうかについて、もう少しつけ加えますと、精神科の病気も他の科の病気と似たようなところがあります。例えば、交通事故にあって右足を切断しなければならないこともありますよね。手術してもその右足はもどってきません。その意味…

■僕たちは二個の日時計だった。 有栖川有栖『月光ゲーム』

■「このゲームに勝たないと獲物(ゲーム)にされてしまう」 有栖川有栖『月光ゲーム』