机上、枝条、そのほか

机上、枝条、そのほか

2011-01-01から1年間の記事一覧

アフォリズムのリハビリテーション #1231

■――なぜ、おれはこの女と結婚しないのか? ささやかな家に住み、子供をつくり、平穏な日々の果てに、おだやかなみちたりた老夫婦となり、すべての可能性をこころみたわけではないが、あたえられたものは、心ゆくまで味わったたという、ほのかな満足をいだい…

アフォリズムのリハビリテーション #1230

■人類の歴史はたとえみじかいとはいえ、一億や二億の年月はおそらく生きつづけるであろうし、その最初の百分の一ほどの歴史のなかに解答を見出せなかったからといって、われわれの想像力をその貧寒なカタログのうちにとじこめてしまってはならないだろう。 …

アフォリズムのリハビリテーション #1229

■魔術はおそらく魔術師が作るのではない。魔術をあらかじめ帯電した世界があるとき、それがたとえばなんでもない異郷人のような材料のまわりに凝集して、魔術師を結晶させるのだ。 真木悠介『気流の鳴る音』

アフォリズムのリハビリテーション #1228

■人間の根源的な二つの欲求は、翼をもつことの欲求と、根をもつことの欲求だ。 真木悠介『気流の鳴る音』

アフォリズムのリハビリテーション #1227

■「明晰」とはひとつの盲信である。 真木悠介『気流の鳴る音』

アフォリズムのリハビリテーション #1226

■道のゆくさきは問われない。死すべきわれわれ人間にとって、どのような道もけっしてどこへもつれていきはしない。道がうつくしい道であるかどうか、それをしずかに晴れやかに歩むかどうか、心のある道ゆきであるか、それだけが問題なのだ。所有や権力、「目…