机上、枝条、そのほか

机上、枝条、そのほか

アフォリズムのリハビリテーション #877

・アンダースは、神秘的な声というようなものを、世間の人なみには信じていた。つまり、実際にそんな声を耳にするまでは、全然信じていなかったのである。アンダースは、すばやくさまざまな可能性を考えてみた。もちろん精神分裂症というのが最良の答えだろう。同僚もそれならば納得してくれるに相違ない。しかしアンダースは、自分の精神が健全であることには、絶対の自信をもっていた。だとすると――

ロバート・シェクリイ「あたたかい」(『人間の手がまだ触れない』より)