アフォリズムのリハビリテーション #208
・私たちは、行動を終えた後、夜、机にむかっている時めまいがするほどの不安を感じます。それは私たちが、毎日少しずつこの世界から遠ざかってゆくという不安です。
それは私たちが、私たちの手でなしとげたことと、私たちがイマージュのうちに育んでいるものは全く正反対の姿をしているという不安です。
そんな時私たちは、逃げだしたい、何も考えたくないと叫ぶ私たちの心に、その不安から目をそらしてはならないと命じました。
目を両手でおおってはマシンガンをもつことは出来ません。それはギャングであることを放棄することなのです
高橋源一郎『さようなら、ギャングたち』